教室のミッション・方針

教室のミッション

General Neurologistを育成し,神経疾患の克服を目指します

教室の方針

臨床面

  1. 最善の診療を提供します.
  2. 患者さんやご家族に寄り添う医療を行います.

これからの30年,日本は,極端な高齢化と,その後の急激な人口減少時代を迎えます.高齢化は神経疾患の増加をもたらします.
一方,家族構成の変化,若者の減少によって,神経疾患への社会的対応は,より困難となっていく事が想定されます.さらに,増大する社会保障費を支えきれないことから,医療体系も大きく変わることが推定されます.
このような時代背景の中で,患者さん,ご家族,そして医療機関のニーズに沿った,新しい神経内科像を確立し,それに沿った人材の育成と,学内外の診療体制の再構築を行い,神経内科を志す多くの医師が,新潟に集うような医療圏を構築したいと考えています.
新潟大学神経内科は,半世紀の歴史を持ちます.この中で,新潟から秋田,山形,福島までの広汎な診療ネットワークを築きました.このネットワークは急性期医療から療養型,在宅まで,幅広い医療形態を内在しています.これにより最善の神経疾患の医療を提供すると共に,神経疾患の解明において,大きな成果を上げてきました.
この背景には,原因をつきとめ,その治療方法を探ろうとする,リサーチマインドを持った,多くの神経内科医,神経病理医と,それに協力を惜しまない患者さん,およびご家族の存在があり,診療体制のネットワークがありました.このネットワークは,一人一人の医師が,患者さんやご家族に寄り添う事により維持されてきたと感じています.今後も,医師の基本としてこの姿勢を大切にしていきたいと考えています.
このネットワークを大切にしながら,これからの時代に沿った形で,患者さん,医師にとって魅力ある診療ネットワークを再構築し,最善の診療を提供できる医療圏の確立を目指ししていく必要があります.急性期脳卒中での血管内治療可能施設への素早い移送が出来るかという問題,増大する認知症患者さんのサポートを,かかりつけ医,精神科医と連携を取りながらどのように進めていくかという問題,難病患者さんの診療をどのように行い,どうサポートしていくかという問題など,多くの問題があります.これらの問題をひとつひとつ丁寧に解決していきたいと考えています.
最後に,新潟大学で臨床に携わる物にとって,新潟水俣病の問題は,決して忘れてはいけない問題と考えています.本問題についても真摯に取り組んでいきます.

教育面

  1. Clinician-Scientistsを育成します.
  2. General Neurologistを育成します.
  3. 日頃の臨床から新たな問題を抽出し,考え,「その解決方法を提案できる力」「その結果を他人に伝える力」を育てます.

臨床医であり,かつ研究者であるClinician-Scientistsの育成を念頭に置き,個々人の能力を最大限に伸ばしていきたいと考えています.
目の前の一例の症例から学び,考え,それを一般化していくことはClinician-Scientistでなければ出来ないと考えています. もとより医学は,そのような中で発展してきた学問であり,この志なくしては,神経疾患の克服は出来ないと考えています.このために,知識の習得と応用のみではなく,日頃の臨床から,新たな問題を抽出し,考え,その解決方法を提案できる能力,その結果を,自分で解釈し,他人に伝える能力を育て,神経疾患の臨床のプロフェッショナルを育成したいと考えています.
また組織としても,現場でのニーズ,問題意識を起点とし,その問題を解決し,第一線の研究・医療の成果を現場に積極的に還元する組織を作っていきたいと考えております. また神経内科は,扱う疾患は多様で,他の診療科との境界領域も多く,社会と深い関わりがあり,多面的な医療が必要とされる診療科です.それ故,神経内科医には総合的な臨床力,人間力が求められます.私たちの教室は,この能力を持つGeneral Neurologist の育成に取り組みます.そのことにより,てんかん,脳卒中,しびれ,めまい,頭痛などのありふれた疾患から,神経難病に至るまで,幅広く対応することが出来るGeneral Neurologistの育成を目指します.
脳研究所は,脳神経疾患の解明を目指す,日本で唯一の研究所です.本研究所の最大の財産は,国際的にも有数な,疾患脳の生体資料バンクです.これを支えているのは,設立以来,一人一人の医師が,患者さんやご家族に寄り添ってきた姿勢と感じています.私達は,今後も,医師の基本として,教育面でも,その事を忘れず,自分自身を戒めると共に,この姿勢を次代の若者に伝え,守っていきたいと考えています.

研究面

  1. 診断から治療の時代に向け,疾患の進行を捉える,新たな臨床神経学を探求します.
  2. 神経疾患を、病態機序に基づき克服します.
  3. 異分野の知識,手法を積極的に導入し,国際基準の研究者を育てます.

研究面では,水俣病やSMON病など社会に深く関わる疾患の原因究明をはじめ,様々な神経疾患の原因・病態解明で成果を挙げてきました.これらの成果の多くは,日常の臨床での“気づき”からなされた物です.
今後とも,この臨床の“気づき”に基づく研究を推進し,神経疾患の克服を目指します. また,今までの私たちの仕事は,リサーチマインドを持ち,かつ患者さんに寄り添ってきた,多くの医師と,それに協力を惜しまない患者さん,およびご家族,診療体制のネットワークの上になしえてきた仕事です.半世紀に渡り築き上げられたこのネットワークは,ここで学ぶ者を,今までも,そしてこれからも,大きく育ててくれます.このネットワークにて学べることに感謝し,かつ次代のために,このネットワークを維持,発展させていきます.このような土壌の基に私たちの研究がなされることを忘れないようにします.
臨床神経学の面では,これからの神経難病の治療の時代に供え,治験に耐えうるような,最新の神経科学の知識に立脚した,新しい臨床神経学を確立する必要があると考えています.具体的には,今までの機能局在説を超え,脳全体を傍観し,症状の多様な進行を,鋭敏に捉え計測しうる,新たな臨床神経学を探求し,そのマーカーを見出すことを目標とします.
本教室の俊英と共に,この新しい臨床神経学を切り開いていきます. 病態研究としては,脳血管性疾患,神経変性疾患に取り組みます.近年の,医学生物学分野の最先端の研究は,より異分野の融合的知識を必要とするようになってきています.つまり,疾患名による研究テーマの分類はもはや過去となり,今はより多面的に捉える必要があります.例えば,認知症の研究には,生化学的な知識のみではもう不十分で,免疫,血管の知識が欠かせなくなってきています.この事を踏まえ,脳研究所や国内外の人材と交流し,他分野の最先端の知識や手法を,しなやかに,積極的に導入し,問題の解決に繋げます.人材育成面では,独立性を重んじる理念を継承し,これを厳しい淘汰の時代に沿ったシステムへと昇華させ,国際基準の研究者を育てていきます.

教室面

  1. 互いに尊重し,切磋琢磨し成長し合います.
  2. 働きがいのある,誇りをもてる職場を創出します.
  3. 国内外の施設と交流を深めます.

教室の気風としては,医師としての矜持を持ち,互いに尊重し,切磋琢磨し成長し合うことを基盤とします.
さらに,若い医師,女性医師のニーズに沿った,働きがいのある,誇りをもてる診療ができる魅力的な職場を,患者さん,ご家族,そして医療機関と,一体となって創出する必要があります.これが,若い医師が,本施設を選択する理由となり,結果として脳神経疾患に関心を持つ優秀な人材が集い,脳神経疾患の患者さん,ご家族を支えることに繋がると考えています.
本施設の魅力は,研究と医療が一体となり,最先端の脳神経疾患の診療を提供できるだけではなく,集う者に,研究者,先端医療を担う医師,地域医療を担う医師等の多様なキャリアパスを提供できることにあります.国内外の施設と,臨床,研究交流を深め,国際的に,より魅力ある組織としていきたいと考えています.そして,臨床・研究の質の維持,研究者の育成,良医の育成,を並立し,その中で,個々人に,明確,かつ適切なキャリアを用意する必要があると考えています.

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