先輩医師からのメッセージ

 

大学院生からのメッセージ

畠山医師

脳という『こころの臓器』の真理に一歩でも近づく事,患者さんの人生に寄り添い常に支えられる医師になる事,この2つの目標を理由に,私は7年前新潟大学神経内科への入局を決意しました.そして現在でも,この目標を達成するために,当科は最も恵まれた施設の一つであると考えています.
当科は,研究面では,長年にわたる研究業績はもちろん,脳研究所の他の教室と連携した研究も積極的に行っています.また当科で困難な研究については,他施設への留学を検討する事も可能です.
また,臨床面では,新潟県全県,さらには県外から紹介された患者さんを,当科の医師全員で議論する検討会が,週2回行われています.検討会では,当科の専門の医師にご意見を頂く他に,脳研究所内の他の教室の先生からもご意見を伺う事ができます.また,役職や卒業年に関係なく,若い医師でも率直に自分の意見を伝えられる自由な雰囲気があります.まさに教室一丸となって患者さんを支える体制があると感じます.
神経学は,日々急速な勢いで進歩を続けているものの,臨床においても,研究においても,個人の力では限界を感じる事も多いです.是非,熱意のある先生方が新潟で我々の仲間に加わってくれる事を期待しています.

柳村医師

新潟大学脳研究所には,神経難病の患者さんからいただいた貴重なマテリアルが数多くあります.私は卒後6年目で大学院に入学し,多発性硬化症や視神経脊髄炎などの神経免疫疾患の研究をしています.免疫染色やフローサイトメトリーによる解析を進め,週1回のラボミーティングではOverview,抄読会,研究審議を行っています.これまで神経学会,Sendai Conference,新潟神経学夏期セミナー,神経免疫学会で発表し,海外の研究者と論議する機会にも恵まれています.他の教室で新たな実験手技を学び,抄読会に参加することで,専攻以外のトピックに触れることができます.また,週2日は他院で外来や当直を担当し,そこで患者さんと繋がりを持つことも,研究へのモチベーションを促します.神経難病の患者さんのために,ぜひ新潟で研究生活を送ってみませんか?

若手医師からのメッセージ

中島医師

「私は他大学出身であり、今年度初めて新潟大学神経内科を経験させて頂きました。新潟大学は、全国の神経内科の中でも症例数が多く、疾患の幅は広く、検討会では高度なディスカッッションが行われています。神経内科の科としてのイメージも今までと大きく変わり、医療全体における神経内科の重要性をより感じました。 
 またこの一年間でポリクリの学生さんとも関わらせて頂きました。神経内科を難しいとイメージを持たれている学生さんも多かったと思いますが、私も同じように難しいと感じていますし、心配しないでください。ただ神経内科は決して病気のことだけを難しく考えている訳ではありません。患者さん自身のことは、性格やご職業まで及びますし、また神経疾患はご家族のフォローが必要になることが多く、家族が何人いて、誰と一緒に住んでいるのかも、非常に大切な検討事項です。病気自体は難解なことも多く、学生さんにとっては辛いこともあるかと思いますが、病気以外の部分を考えられるのが、神経内科の魅力の一つと私は思っています。興味のある学生さん・研修医は是非、一緒に神経内科をやりましょう。

永井医師

新潟大学神経内科で後期研修をしております永井と申します。
1年間、ここで後期研修をして感じたことをお話したいと思います。新潟大学の神経内科には、様々な神経疾患の方が入院されてきます。免疫系疾患、感染性疾患、変性疾患、そして脳血管疾患など、多岐に渡ります。そういった患者さんに、診察をして、検査をして、所見をまとめ、考える。この一連の流れを、指導医の先生とともに勉強できるのが新潟大学の神経内科です。
また、認知症の高齢者の社会的な問題なども近年、頻繁に取り沙汰されており、専門の神経内科医の活躍が期待されています。神経疾患はマイナー、稀な病気と思われていたかもしれませんが、近年はますます活躍の場が増えつつあります。当科の研究室では、病態の解明や遺伝子の研究も盛んになされています。臨床でも研究でも皆さんがやりたいことが必ず見つかり、それを自ら選択していけるのが、新潟大学の神経内科です。一緒に神経学を勉強していきましょう。

林医師

神経内科1年目の林です。よろしくお願いします。
私はもともと脳の働きに興味があり、学生時代は漠然と神経内科が候補に挙がり、初期研修を経て入局を決めました。
大学での研修について1年間で感じたことをお話ししたいと思います。

 おそらく①複雑・希少な疾患が多い、②学生さんが大量に実習に来るなど初期研修先を選んでいる方、後期研修を選ばれる方にとって、とっつきにくいイメージが強い方もいらっしゃると思います。しかし、神経内科について言えば、①については、鑑別疾患を上げることの大事さを感じる機会が多かったようにも思いました。大学ではいろいろ検査を受けたが、診断がつかない方が来る場合があります。後から見ると分かる病気も多く、検討会ではどの段階でその疾患に気づくことができるかフィードバックを行うこともあります。自分が今後初診で見たときに、その周辺疾患を想起する上で引き出しが増えるかどうかは大事な点だと思います。多くの経験豊富な医師のもと、そういったトレーニングが十分できる点は魅力です。

 ②について、未熟な自分が指導して良いかなど、戸惑う場面もありますが、教えることで勉強になることも多くあるのは事実です。(当科では屋根瓦式の教育を基本方針としております。)最終的にわかりやすいプレゼンテーションを心がけるようにはなりました(なかなかうまくいきませんが)。

 以上少々長くなりましたが、少しでも新潟大学での研修、神経内科に興味を持っていただければ幸いです。一緒に働けることを楽しみにしております。

加藤医師

地元を離れて、新潟で神経内科を学ぶ

後期研修医の加藤怜です。私は秋田県出身で秋田大学を卒業し秋田で研修し、新潟の神経内科に入局しました。秋田と新潟、距離的に遠く関連は無いかというとそんなことはなく、実は新潟大学神経内科の関連病院が秋田にあるのです。「神経内科を勉強したいな~、でも出身大学では規模が小さいな」というわけで、友人から新潟が有名だと教えてもらったのが、今ここにいるきっかけとなったわけです。

 医師3年目の春、気が張っていたのか目に違和感を感じながらも慣れない病棟業務を行う日々が始まりました。指導医の先生方には、神経疾患の考えかたを丁寧に教えていただきました。時折、抜け落ちていることがあれば、直接教えていただいたり、ドタバタやっている裏でさらっとフォローしていただいたりとチームとして支えていただいていることが実感できました。一般的に稀な疾患であったとしても、むしろ大学病院には集まってきます。この症例は、何が特徴なのかが似たような例を複数経験することでおぼろげに見えてきた気がしました。たまには、同期で飲み会をして新潟の話でついていけなくても、それぞれ好きなジャンルで話が盛り上がり、翌日の仕事にはずみをつけていました。

 3年目も終わりの時期となり、溜め込んだ総括を消費しながら少しだけでも成長できたかなと思えることは充実した日々だったのだと思えます。新潟に来て気づいた花粉症で止まらない目のかゆみと鼻水でフラフラですが、次に進むためにやり残しが無いようにしたいものです。

 「新潟大学神経内科は、来てよかったと思える経験ができるよ。」後に続く研修医の皆さんにもそう言ってもらえるように、その一員として努めていければいいなと思います。

指導医からのメッセージ

河内医師

「患者さんに役立つ研究・診療」を行い, 新潟で神経学を極める

新潟大学脳研究所神経内科の初代教授は椿忠雄先生です. 東京大学から1965年に赴任されました. 全国に先駆け, 新潟の地に神経内科学を根付かせ, 神経内科のエキスパートを数多く育てられました. 開局から50有余年を経た今もなお, 私達, 医局員は椿先生による「問診 日ごろ心にとめている十ヵ条」 (下記参照) を胸に携え, 診療しています. 私が医師になった20年以上前までは, 他科の先生から「神経学はまだ未分化で, 治療法のない診療科だ」と揶揄されたものでした. しかし今や状況が一変しました. 私の専門分野である多発性硬化症では複数の疾患修飾薬が認可され, さらに新たな薬剤開発が進んでいます. 脳梗塞の分野においてもt-PAをはじめとした血栓溶解療法やカテーテルによる血栓除去療法が脚光を浴びています. ようやくいくつかの神経疾患で新たな治療法が開発され, 実際に使われる時代になりました. しかしこのような時代であっても, 椿先生の言葉「問診 日頃心にとめている十ヵ条」が色褪せることはありません. 患者さんの声をよく聴き, 患者さんに寄り添いながら, 患者さんに役立つ研究と患者さんに共感する心を持った診療を行うことが重要です. 新たな発見は患者さんからの言葉がヒントになることもあります. 椿先生以来, 語り継がれ, 受け継がれている「神経学を志す心」, 「神経内科診療の極意」, 「患者さんに役立つ研究を行う体制」が新潟にはあります. 長い伝統のある新潟の地で, 一緒に神経学を極めましょう.

「問診 日ごろ心にとめている十ヵ条」
新潟大学教授・神経内科学
椿 忠雄

一,神経病ほど問診が重要な疾患はないと思う.誇張ではなく,診断の八割くらいはこれで大よその見当がつく.最近,一般内科では検査所見の比重が大きくなっているが,神経内科はむしろ問診と病床側の診察が重要である.

ニ,神経病の問診のなかで最も重要なことは,症状はいつおこったのか,初発症状の部位はどこか,急激におこったのか(何時何分という程急激か,それほどではないか)ではないかと思う.どんなときでもこれをおろそかにしてはいけない.

三,問診が重要なことは,単に診断のためだけではない.これを通して,医師と患者の間に精神的親近感ができることである.大学の外来では,問診は若い医師や学生が行うことがある.これは診察医の時間を節約していただけるのでありがたいが,診察の本質からみて,必ずしも好ましくない場合がある.私はどんなに完全に問診(予診)ができていても,患者に何らかの質問をすることにしている.それはすでに得られている情報であるかのようにみえても,書かれた情報とはちかったものがえられるはずである.

四,問診の場合,医師にとって無意味と思われる患者の供述であっても,ある一定の時間は患者の思っていることを述べてもらう.それは患者に満足を与えるとともに,患者の心のなかにあることがわかる.

五,患者の何が,最も苦しいか分かることが大切である.単に主訴という形式的な言葉ではあらわされないものが大切である.患者は案外病気の本質とは別のことで苦しんでいることがあり,これを取り除くことができる.

六,多数の患者が待っており,診療時間に追われているときに,ごたごたと供述されることは医師にとって困ることがあり,患者の供述を適当なところで止めさせることも必要ではあるが,少なくとも,前述のことは忘れてはいけないと思う.

七,公害や災害事故の問診で,患者の供述は必ずしも事実でないことがある点で,難しい問題がある.この場合でも患者を非難してはいけない.多くの患者は故意に虚偽の供述をしているのではない.私は患者の供述を言葉通りにきき,主観を加えずにその供述を記述することにしている.このようなことで,かえって真実を見いだせることが多い.

八,問診は診察のはじめだけに行うのではなく,診察の途中にも随時会話をして,情報を深めるのがよいと思う.むしろ,それによりほんとうの供述がえられるように思われる.

九,医師が患者に敬意をはらうという態度で問診をすることが望ましい.一般に患者は弱者,医師は強者の立場になりやすいので,詰問口調になりやすい.しかし,よく聞いてあげるということが,その後の診察に大きなプラスになるであろう.

十,神経病の場合,問診は,言語障害,精神症状,知能,意識状態の検査にもなることを忘れてはならない.

他田医師

新潟大学神経内科(当教室)の特色は、神経疾患の患者さんやご家族に長く寄り添えることにあります。数十年にわたり、病気の患者さん、ご家族と関わることができるのは、当教室の歴史と、県内に張り巡らされたネットワークの賜物です。これによって、今まで、様々な難病の原因を解明してきた実績があります。また、病理学教室との連携が深く、神経疾患に関する臨床病理カンファレンスを毎月開催しています。このような恵まれた環境の施設は、決して多くはありません。専門医研修を進める専攻医は、神経内科の地域医療を支える経験豊かな指導医のもとで、急性期から慢性期,小児から高齢者まで総合的な臨床力を養うことができます。同時に、神経学に関する最先端の知識を得ることができ、研究や留学の体制も充実しています。また、女性医師も働きやすい環境を心がけています。個々人の将来目標やニーズに対応して、柔軟な研修プログラムが可能です。私たちは、臨床面でも、研究面でも、トップクラスの研修プログラムを提供しています。是非、新潟で神経内科のプロフェッショナルになりましょう。

今野医師

Mayo Clinic Floridaでの留学体験

私は平成27年3月より,アメリカのフロリダ州ジャクソンビルにあるMayo Clinic,Department of NeurologyのZbigniew K. Wszolek教授のもとに留学しています.今回,留学体験記を書く機会をいただきました.主にこれから留学するであろう医局の後輩や,当医局に関心を抱いている全国の医学生さんたちに向けて書いてみたいと思います. Mayo Clinicは全米有数の総合病院です.ミネソタ州ロチェスターにある本部のMayo Clinicは,U.S. Newsが発表する全米病院ランキングで第一位(2016¬-2017)にランクされました.私が留学しているジャクソンビルは,Neuroscienceの研究が盛んで,日本からの留学生も多く在籍しています.臨床部門,神経病理部門,基礎研究部門が緊密に連携しており,新潟大学脳研究所と似た構造です.私が師事しているWszolek教授は,パーキンソン病をはじめとしたMovement disordersを専門としており,特に遺伝子が関わる家族性の疾患を研究対象としています.SNCA変異やLRRK2変異を有する家族性パーキンソン病や,MAPT変異を有するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)の家系について,遺伝子が発見される以前より丹念に臨床情報とサンプルを収集され,歴史的な遺伝子発見に貢献してきた実績があります.私は大学院でhereditary diffuse leukoencephalopathy with spheroids (HDLS) の研究をしていましたが,この原因遺伝子であるCSF1Rを発見したのもWszolek教授の研究グループでした.この仕事が契機となりWszolek教授と接点を持つことができ,現在に至っています. 私が新潟を出発した日は,小雪が舞い散る寒い日でしたが,ジャクソンビル空港に降り立つとそこは別世界.強い日差しと高い湿度,ヤシの木が生い茂り,3月というのにすでに夏の様相でした.到着時は家族全員,長い袖丈の上下にマスク姿という冬の新潟では当たり前のいでたちでしたが,ここフロリダでは奇異なアジア人に見えたことでしょう.一瞬にして自分たちが外国人であると認識しました.フロリダ最大都市であるジャクソンビルは人口80万人超と新潟市と同程度で,街自体はほどよく田舎です.高層ビルはダウンタウンに少しあるのみで,高い建築物はほとんどありません.Mayo Clinicのすぐ近くに広がるビーチに初めて行ったときには,その広さに息をのみました.3月から12月くらいまで夏の軽装で過ごせます.新潟の冬を知る者としては,青空のもとリラックスした雰囲気で仕事に臨めるこちらの環境は,格別としか言いようがありません. Wszolek教授は臨床の教授ですので,ご自身のラボは持っていません.そのため,私の留学生活は一般的な基礎研究留学とは異なり,臨床側での仕事が主体となっています.患者さんと会うために正装を義務付けられており,人生で初めて,毎日スーツで出勤しています.Wszolek教授と一緒に患者さんの診察をしたり,研究にご協力いただく患者さんのUPDRSを取ったりと,直接患者さんと触れ合う機会が多くあります.Wszolek教授が20年以上前に報告されたFTDP-17の家系の方が,Wszolek教授を慕って遠方からいまだに外来に通っておられることには驚きました.南米やヨーロッパからも患者さんが訪れます.遠方在住の患者さんを診察するためのfield tripに同伴させていただく貴重な機会もありました.また,Dennis W. Dickson教授が率いる神経病理学部門とはシームレスな関係性があり,時間の許す限りでCPCやbrain cuttingに参加しています. Wszolek教授はとても気さくで,驚くほど面倒をよく見てくださいます.毎朝,私の部屋に顔を出されては,コーヒーを飲みに誘ってくださり,クリニックのお庭を一緒に散歩することから一日が始まります.こちらに来て実感したことは,臨床医は臨床の仕事,病理医は病理の仕事,基礎研究者は基礎研究に専念できる,ということです.言葉にすると当たり前のことですが,日本での仕事環境と比較すると,効率の良さが際立っています.また,各部門が協力して仕事を進めるスタイルがよく機能していて,互いが自分のできることを惜しみなく提供し合い,結果として大きな成果につながっています.国内外の病院や研究機関とのコラボレーションも多く行われており,想像以上に開かれていると感じます.Wszolek教授はこれらの仕事をマネージメントする立場にあり,毎朝コーヒーを飲みながら,教科書には書いていない様々なことを教えてくださいます. 留学生活の一つの醍醐味は,これまで以上に多くの時間を家族と共に過ごせることです.幸いWszolek教授は積極的に学会に参加させてくれますので,家族を連れて学会の地を訪れることが楽しみの一つになっています.アメリカの地で日米の違いを認識し,双方の長所短所が見えてくるのも留学の面白さです.留学をするとアメリカ生活のよさが板について離れがたくなる場合もありますが,私は日本で,新潟の地で,神経内科医として社会貢献したいと変わらず思っています.留学先で感じ,学び得たことを,新潟でどのように活かすかが,帰国後の課題です. 留学は特別な時間です.当然,苦労も数多くありますが,日本では得られないことがたくさんあります.ぜひ医局の若い先生方は留学を一つの目標として頑張ってください.学会等でアメリカを訪れる機会がありましたら,ぜひジャクソンビルにもお立ち寄りください.その際は,くれぐれも軽装かつマスクなしでお願いします.


Wszolek教授

Neurologyの若きレジデントたち

Field trip

ジャクソンビルビーチ

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