筋萎縮性側索硬化症で、加齢により運動野の細胞が侵される謎に迫りました

2021年09月22日 脳神経内科だより

 新潟大学脳研究所 脳神経内科・分子神経疾患資源解析学分野の小池佑佳 博士研究員 (メイヨークリニック留学中),須貝章弘 助教,小野寺理 教授らの研究グループは,同研究所病理学分野 柿田明美 教授ら,遺伝子機能解析学分野 池内健 教授らとの共同研究により,筋萎縮性側索硬化症 (amyotrophic lateral sclerosis: ALS) の発症機序に,「DNAのメチル化」が関わっていることを明らかにしました.この研究成果は,Nature Researchが提供するオープンアクセス・ジャーナル「Communications Biology」誌に,2021年9月21日 (現地時間) に公開されました.

今回の研究成果のポイント

  • ALSの原因となるタンパク質 (TDP-43) をつくるDNAの,量の自己調節機構に関わる部位のメチル化が失われる(脱メチル化)と,TDP-43遺伝子の発現が増加することを示しました (図1, 図2).
  • 正常者では,ALSで侵される運動野で,加齢によって、この部位の脱メチル化が進み,TDP-43遺伝子の発現が増加することを明らかにしました (図2).
  • ALS患者さんでは,この部位が脱メチル化されている程,病気になる年齢が若くなることを明らかにしました (図3).

プレスリリース用figure 20210916

詳細はこちら:

Nature Portfolio blog: Age-Dependent, Motor Cortex Selective TARDBP Demethylation Unlock the Mystery in Amyotrophic Lateral Sclerosis | Nature Portfolio Health Community

論文へのリンク: Age-related demethylation of the TDP-43 autoregulatory region in the human motor cortex | Communications Biology (nature.com)

新潟大学脳研究所HPでも紹介されています

 

 

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