学会参加報告―Neuroscience 2022 in San Diego―

2022年11月19日 脳神経内科だより

2022年11月12日から16日までNeuroscience 2022がアメリカ サンディエゴで開催されました.当科からは須貝先生,北原先生と私山岸の3人で参加しました.NeuroscienceはSociety for Neuroscience(SfN)の年次集会で,SfNはアメリカの学会ですが,世界中から神経科学者の集う世界最大の神経科学学会です.このコロナ禍で2020年は中止,2021年はバーチャルとなっていましたが,今年は2019年シカゴ以来の現地開催となりました.2019年までは例年3万人程度が参加していましたが,今年は23000人程度の現地参加があり,世界がコロナ後の日常を取り戻しつつあるのが伺えました.
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私はALSに関連するタンパクであるTDP-43のスプライシングアイソフォームの機能に関する研究成果を発表して参りました.発表の形式は,一部のシンポジウム,レクチャーを除いてすべての発表がポスター形式で行われ,近い距離で直接意見交換ができました.多くの研究者がポスター前で足を止め,質問をしてくれるなど,改めてALSやTDP-43に関心を持っている研究者が多いことを実感しました.また,私のような大学院生だけでなく,大御所の先生が自ら発表している姿もありました.後に知ったのですが,今年は2014年にノーベル医学・生理学賞を受賞したジョン・オキーフ博士がポスター発表に来られていました(誤解のないよう申し添えておくと,SNSでも驚きと称賛で受け止められていましたので,これが普通という訳ではないようです).
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私自身の海外学会への参加は,今年春のAANに続いて2度目でしたが,今回が初めての現地参加でした.近い領域の研究チームのunpublishedのデータも非常に参考になりましたし,本質的ではないのかもしれませんが,実際に他の研究者が関心を持って自分のポスターの前で足を止めて見てくれる姿,実際に質疑応答しての反応といった自分の取り組みに対する反応は,オンライン学会ではなかなか実感しにくいもので,今回現地参加は非常に今後への励みになりました.また,引き続き,臨床と併せて研究に励みたいと思います.(山岸拓磨 記)
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