畠野雄也 先生の論文がBMC Bioinformatics誌に掲載されました

2023年05月20日 脳神経内科だより

畠野雄也 先生の論文がBMC Bioinformatics誌に掲載されました.

新しいin silicoの遺伝子変異病原性予測法MOVA(method for evaluating the pathogenicity of missense variants using AlphaFold2)の報告です.対象変異の蛋白質立体構造上の位置情報を予測因子に含めることで変異のhotspotを考慮に入れ,さらに機械学習法を用いて開発した点に新規性があります.

本稿ではALS(筋萎縮性側索硬化症)の原因遺伝子12種類で検証し,良好な性能が得られました.さらに,REVELなど既存の手法と組み合わせることで,より精度の高い予測が可能となります.

MOVAはALS以外の原因遺伝子にも使用可能です.エクソーム解析,全ゲノム解析で網羅的な検索を行った場合,複数の遺伝子に多数の変異を認めます.本ツールによりこれらの病原性を効率的に評価することができます.また,MOVAにより病原性が高いと予測された変異を対象に分子生物学的,あるいはモデル動物での解析を行うことで,疾患の病態解明や治療法開発を進めることが期待されます.

【論文タイトル】Accuracy of a machine learning method based on structural and locational information from AlphaFold2 for predicting the pathogenicity of TARDBP and FUS gene variants in ALS

【著者】Yuya Hatano, Tomohiko Ishihara, Osamu Onodera

【doi】https://doi.org/10.1186/s12859-023-05338-5

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