遺伝性脳小血管病CADASILの班会議に参加しました
この度,2025年11月15日に沖縄県那覇市で行われた,『遺伝性脳小血管病CADASILの診療ガイドライン作成と新規治療プロトコル作成についての班会議』に参加してまいりました.
班会議では,日本を含めた東アジアのレジストリを通じた,CADASIL症例蓄積の重要性を再認識しました.国内外の施設でのCADASIL症例登録の状況や,症例データから見出された国内のCADASILの特徴を学びました.新薬アドレノメデュリンについての言及には,期待が膨らみました.班会議の後には,『CADASIL知ってる会』という,患者家族会に参加させていただきました(国立循環器病研究センター脳神経内科の受診歴を有するCADASIL患者さんやご家族を対象とした患者会です).猪原匡史 先生の『世界一わかりやすいCADASILの話』は本当にわかりやすく,かつ何回でも聞きたくなるような内容でした.難しくなりがちなCADASILの病態説明ですが,整理されたご説明ですっと頭に入ってきました.
私は,新潟大学の症例登録の一部に携わらせていただいております.レジストリにおける同意取得や症状評価などで,患者さんとお話しする機会があります.今後予想されるイベントや,リスク,遺伝子や病態について,新規治療についてなど,質問をされることもあるかもしれません.そのような時,正しい情報を伝えられるように,不安でなく少しでも安心を届けられるように,CADASILについて学ばなければと強く思いました.また,患者さんに届ける正確な情報を確立するためにも,症例の蓄積が重要と感じました.
また,昨年の京都でのInternational CADASIL symposium,今年の台湾での同symposium,さらに班会議と,続けてCADASILに関連する会に参加させていただきました.多くの研究者や先生方と繋がりを持つことができたことを,ありがたく思っています.そして,今回の沖縄というロケーションも最高でした.国循の皆様のご企画で,沖縄の夜を堪能いたしました.
最後に,自身の研究についても別の視点から考える契機となりました.私は現在,脳研究所 細胞病態学分野 三國研究室でのご指導のもと研究を行っています.脳脊髄液動態について,最近は動脈での脳脊髄液クリアランス経路(IPAD)に興味を持っています.CADASILで知られているNOTCH3の血管壁への蓄積,それと自分の研究内容を関連させられたら,と考えながら,沖縄から新潟に戻りました.今後も新潟で,今できることをやっていこうと思います.この度は貴重な会に参加させていただき,ありがとうございました.(荻根沢真也)


