Alzheimer’s Association International Conference(AAIC)2026参加報告

2026年07月23日 脳神経内科だより

 2026年7月12日から15日にロンドンで開催されたAAIC2026に大学院生として参加し,ポスター発表を行いました.AAICはAlzheimer’s Associationが主催する認知症研究分野で世界最大規模の国際学会で,世界各国から研究者が集まり,最新の研究成果が発表・議論されます.今回は池内教授をはじめ研究室のメンバーとともに参加し,私にとっては初めての国際学会参加となりました.また,家族も一緒にロンドンを訪れました.

 出発前日まで子どもが発熱しており,予定どおり出発できるか大変気を揉みましたが,無事に渡航することができました.現地滞在中は天候に恵まれ,朝夕は涼しく,昼間は汗ばむ陽気でした.緯度が高いため,夜8時を過ぎても日が沈まないことに驚きました.歴史ある石造りの建築物と近代的な高層ビルが共存する街並み,多様な人々が行き交う様子など,異国の雰囲気を肌で感じました.子どもには見知らぬ人でも声をかけてくれ,席を譲られることもしばしばあり,子どもに優しい街でもありました.

 学会会場は非常に活気があり,スーツ姿から半袖・短パンの参加者まで服装もさまざまで,日本の学会とは異なる自由な雰囲気が印象的でした.プレナリーセッションが行われた会場は,テーマカラーの紫の照明で統一された大規模なホールで,巨大なモニターが並び,軽快なアナウンスや演出はまるでライブ会場のような雰囲気でした.

 聴講したセッションで特に印象に残ったのは,アルツハイマー病における血液バイオマーカーに関する話題です.血漿p-tau217に対する関心は非常に高く,質疑応答では質問が途切れることなく続いていました.偽陽性・偽陰性をどのように考えるか,といった臨床実装を見据えた実践的な議論が多く,世界中で高い関心が寄せられていることを実感しました.

 ポスター会場も広大で,参加者がコーヒーを片手に活発な議論を交わしている様子が印象的でした.私は遺伝性白質脳症における血液バイオマーカーについてポスター発表を行いました.この経験を通じて,自分の研究を限られた時間で分かりやすく伝えることの重要性と難しさを改めて学びました.英語の未熟さも痛感しましたが,発表準備に費やした日々は自分の糧になっていると感じています.

 国際学会は敷居が高いものという印象を持っていましたが,実際に参加したことで,その心理的なハードルが大きく下がりました.今回得られた経験を今後の研究に生かし,研究内容をさらにブラッシュアップするとともに,論文化を目指して取り組んでいきたいと思います.

 最後に,このような貴重な機会をいただいた池内教授をはじめ,共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます.(木崎利哉


ページの先頭へ戻る