7th JOINT ECTRIMS – ACTRIMS MEETING (MSPARIS2017) に参加しました

2017年10月31日 お知らせ

2017年10月25日から28日まで7th JOINT ECTRIMS – ACTRIMS MEETING (欧州・北米合同多発性硬化症会議)(パリ) に参加しました。
多発性硬化症に関する世界最大の学会がパリで開催されました。毎年, 臨床試験の最新の結果が発表され, 話題となります。
今年は進行型多発性硬化症に対するibudilastの効果に注目が集まりました。Ibudilastは日本人にとって大変馴染みのある薬剤です。
進行型MSはunmet medical needsが高い領域です。今後の展開が大変, 楽しみになりました。

パリは学会会場 (Palais des congrès de Paris) に入ってしまえば安全で, 非常に熱気あふれた最新の議論が繰り広げられました。
多発性硬化症の研究領域は欧州・欧米の勢いがとても強く, 熾烈な競争のもと, 研究が進展しています。
日本のアカデミアとの格差が激しいことは残念ですが, 今後, 時代も変わることを期待します。
プレナリー講演はウィーン大学のHans Lassmann教授の講演で, 「多発性硬化症の皮質病理」の最新情報でした。素晴らしいご講演でした。
彼の恩師Franz Seitelberger先生 (1916-2007) は, 新潟大学脳研究所病理学教室名誉教授 生田房弘先生と大親友だったそうで, Lassmann先生は, 生田先生とSeitelberger先生との交流の様子をよく聞いていたそうです。当科の佐治越爾先生が留学したのもLassmann先生の研究室です。50年以上の歴史を持つ「新潟とウィーンの国際連携」は継承すべきとても重要な案件だと思います。大学院生の柳村文寛先生はLassmann先生からの質問・討論によく答えていました。このような神経学の交流が100年先も続くと良いと思いました。

学会主催のMusee d’Orsayで行われたネットワーキングイベントもとてもエキサイティングでした。
素晴らしい絵の中で, 様々な研究者と討論する経験は, パリだからこそできるものでした。
またパリは多発性硬化症の父 Jean-Martin Charcot先生 (1825-1893) が勤めたサルペトリエール病院がある地です。
少し足を伸ばせば様々な神経学の歴史に触れ合える地です。
(河内)

当科からの報告は以下の演題です。

  • Double inversion recovery MRI in the evaluation of the anterior visual pathway in patients with multiple sclerosis and neuromyelitis optica spectrum disorders. Etsuji Saji, Mariko Hokari, Akiko Yokoseki, Takahiro Wakasugi, Fumihiro Yanagimura, Kaori Yanagawa, Masatoyo Nishizawa, Osamu Onodera, and Izumi Kawachi
  • Dynamics of tissue regulatory T cells in Neuromyelitis optica spectrum disorders lesions. Fumihiro Yanagimura, Etsuji Saji, Takahiro Wakasugi, Mariko Hokari, Yasuko Toyoshima, Akiyoshi Kakita, Hitoshi Takahashi, Masatoyo Nishizawa, Osamu Onodera, Izumi Kawachi.

 

プレナリー・イントロダクション (Miller先生ら) とネットワーキングイベント (Musee d'Orsay) の一コマ

プレナリー・イントロダクション (Miller先生ら) とネットワーキングイベント (Musee d’Orsay) の一コマ

サルペトリエール病院正面

サルペトリエール病院正面

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