脳梗塞に対する,『末梢血単核球を用いた新しい細胞療法』を開発しました

2019年11月20日 神経内科だより

当科 畠山公大 特任助教,金澤雅人 准教授,二宮格(大学院生),小野寺理 教授,岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野の下畑享良 教授らの研究グループは,脳梗塞に対する新しい細胞療法を開発しました.

本研究では,低酸素低糖刺激を末梢血単核球に加えると,単核球からの組織修復因子の分泌が亢進し,また単核球中の多能性幹細胞の数が増えることを初めて見出しました。この細胞を脳梗塞ラットに投与すると,細胞は脳内に移行し,脳梗塞周囲で血管・神経再生を促進することを明らかにしました.さらに,細胞を投与したラットでは脳梗塞後遺症が大幅に改善しました。

本技術は,容易に細胞を採取できる点,簡単な刺激で投与細胞を用意できる点で,従来の細胞療法とは一線を画すものと考えます.また自身の細胞を用いるため,腫瘍化のリスクが少ない点で,より安全な臨床応用が期待できます.
本技術が臨床応用できれば,細胞療法は格段に簡易化・低コスト化するものと考えます.現在,早期の臨床応用を目指して,産学官連携の技術開発を進めています.

 

研究結果はScientific Reports誌に掲載されています.
Hatakeyama M, Kanazawa M, Ninomiya I, Omae K, Kimura Y, Takahashi T, Onodera O, Fukushima M, Shimohata T. A novel therapeutic approach using peripheral blood mononuclear cells preconditioned by oxygen-glucose deprivation. Sci Rep 2019;9:16819.

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