パンダの目徴候を呈した症例を報告しました
2025年07月12日 脳神経内科だより
当教室のOBである登木口進 先生を責任著者として,Surgical Neurology International誌に,小千谷総合病院で経験した症例を報告しました.筆頭著者と責任著者の年齢差は38歳で,教室の伝統を感じます.
症例の紹介です.長期の糖尿病を持つ85歳男性が,軽微な後頭部の打撲の翌日に,パンダの目徴候が出現しました.頭部CTでは異常がないものの,Thin slice CTを追加すると,眼窩骨折を認めました.通常,高齢者は骨が硬化し,対側に外力が波及しませんが,糖尿病があると骨の脆弱性が増すことで対側に外力が波及しやすくなります.軽微な外傷でも,糖尿病がある場合は対側の損傷に注意し,パンダの目を見た場合は,Thin slice CTでの評価を追加すべきである,です.
図はSurg Neurol Int. 2025より改.